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人民元が10月1日からSDR構成通貨入り、改革意欲後退に懸念も

2016年09月30日(金)18時31分

9月30日、IMFは10月1日付で、特別引き出し権の構成通貨に中国の人民元を組み入れる。北京で昨年8月撮影(2016年 ロイター/ Jason Lee)

[上海 30日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は10月1日付で、特別引き出し権(SDR)の構成通貨に中国の人民元を組み入れる。人民元の国際的な地位を高める上で重要な一歩で、中国は一層の国内市場開放が求められるが、成長率が落ち込む中、政府の改革意欲後退を指摘するアナリストは多い。

ルー米財務長官は29日、中国人民元について、SDRの構成通貨に加わったとしても、各国が外貨準備として積極保有するようになるのはまだ先との認識を示した。

中国が為替市場の開放に向けて過去10年間行ってきた変革を評価する一方、さらなる経済改革が必要と強調。「SDRの構成通貨になるのと、真の意味で世界の準備通貨になるのとでは雲泥の差がある」と語った。

こうした地位を確保するには、中国は引き続き国内市場の開放を進める必要があるが、政府の改革意欲を疑問視する声もある。

BNPパリバ・インベストメント・パートナーズの大中華圏担当シニア・エコノミスト、Chi Lo氏は、人民元のSDR通貨入りについて「中国の経済力と構造改革の取り組みが国際社会から認められた証」で、一段の改革を促す圧力になり得ると指摘。一方、昨年の組み入れ決定以降、中国政府にとって構造改革の優先順位が低下したとの見方を示した。

また、キャピタル・エコノミクスは今週、人民元資産に対する国外需要に及ぼす影響は限られており、人民元の支援材料にはほとんどならないと指摘。考えられるとすれば、組み入れを控えた当局介入が人民元安につながるリスクだとの見方を示した。

ロイター
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