ニュース速報

ビジネス

ドル上昇、早期米利上げ観測強まる=NY市場

2016年09月10日(土)07時20分

 9月9日、ニューヨーク外為市場はドルが上昇した。写真はドル紙幣を扱うハノイの銀行員。5月撮影(2016年 ロイター/Kham)

[ニューヨーク 9日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場は、ドルが上昇した。米連邦準備理事会(FRB)高官らの発言を受け、早期の利上げ観測が強まった。

ロイターデータによると、ドル/円は一時、103.05円まで上昇した。

ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は、米経済が完全雇用の状況にある中で、緩やかな利上げが適切としたほか、低金利は景気過熱のリスクを増大させるとの認識を示した。

また、FRB内でハト派の1人とされる、ブレイナード理事が12日に講演を行うと伝わった。FRBが利上げに近づいているとのメッセージを発するとの見方が浮上、連邦公開市場委員会(FOMC)内で利上げへのコンセンサスが形成された可能性を示唆すると受け止められた。

BKアセットマネジメントのFR戦略部門マネジング・ディレクター、ボリス・シュロスバーグ氏は「今月公表された経済(指標)はかなり弱かったものの、FRB当局者らがもはや、ゼロ金利政策にこだわっていないと市場が判断した。早期の金利政策正常化を本当に望んでいるということだ」と話した。

CMEグループのフェドウォッチによると、フェデラル・ファンド(FF)金利先物相場が織り込む月内利上げの確率が30%、12月は60%と、利上げ観測が強まった。

これを受けて、この日の米10年債利回りは一時、約2カ月ぶりの高水準を記録、ドルの追い風になったとの指摘が出ている。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.35%高の95.366。

ユーロは対ドルで0.3%安の1ユーロ=1.1224ドル。7月のドイツ輸出が約1年ぶりの大幅なマイナスを記録したことも、ユーロの重しとなった。

オーストラリアやニュージーランドなど比較的高利回りの資源国通貨はドルに対して下落した。シュロスバーグ氏によると、キャリートレード取引を巻き戻す動きが出たという。

ドル/円 NY終値 102.68/102.71

始値 102.68

高値 103.05

安値 102.55

ユーロ/ドル NY終値 1.1229/1.1236

始値 1.1261

高値 1.1276

安値 1.1199

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

スイス中銀、第1四半期の利益が過去最高 フラン安や

ビジネス

仏エルメス、第1四半期は17%増収 中国好調

ワールド

ロシア凍結資産の利息でウクライナ支援、米提案をG7

ビジネス

北京モーターショー開幕、NEV一色 国内設計のAD
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中