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伊モンテ・パスキ、再建計画発表 ストレステスト結果公表直前に
7月29日、伊銀モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナは、資本増強や不良債権売却を柱とする再建計画を発表。写真は2014年11月シエナで撮影された同行のロゴ(2016年 ロイター/Giampiero Sposito/File Photo)
[ミラノ/シエナ 29日 ロイター] - イタリア銀行大手モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテ・パスキ)は29日、資本増強や不良債権売却を柱とする再建計画を発表した。
同計画の発表は、欧州連合(EU)加盟国の銀行監督当局を統括する欧州銀行監督機構(EBA)による銀行51行のストレステスト(健全性審査)の結果公表間際に行われた。
同テストでは、同行の中核的自己資本(コアティア1)比率がマイナス2.44%で、最悪となった。
再建計画の下、モンテ・パスキは総額50億ユーロの増資を実施するほか、92億ユーロ(103億ドル)の不良債権を売却する。
こうした計画はモンテ・パスキのアドバイザーを務めるJPモルガンと伊メディオバンカが草案を策定。関係筋によると、モンテ・パスキの取締役会はスイスのUBSが提示した対抗案を拒否し、JPモルガンとメディオバンカの案を承認した。
引受け先銀行団には同2行を加え、サンタンデール、ゴールドマン・サックス、シティグループ、クレディ・スイス、ドイツ銀、バンク・オブ・アメリカの6行が参加を表明している。
不良債権は、民間投資家が支援する特別目的事業体(SPV)に売却する。これら民間投資家には政府出資の救済基金「アトランテ」が含まれる。
増資および不良債権売却計画は年内に完了する見通し。
モンテ・パスキのファブリツィオ・ビオラ最高経営責任者(CEO)は、同行が「新たなバランスシートを構築することになる」と言明した。
関係筋によると、欧州中央銀行(ECB)は同日、こうした民間部門によるモンテ・パスキ救済案を承認した。