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アングル:短観試算の需給ギャップ、小幅悪化 設備過剰感で

2016年07月01日(金)11時30分

 7月1日、日銀が公表した6月短観(全国企業短期経済観測調査)では、企業の設備過剰感が小幅ながら前回3月短観より拡大し、雇用の不足感が若干緩和した。写真は都内で昨年4月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 1日 ロイター] - 日銀が1日に公表した6月短観(全国企業短期経済観測調査)では、企業の設備過剰感が小幅ながら前回3月短観より拡大し、雇用の不足感が若干緩和した。設備や雇用の過剰・不足は、日銀が人々の物価観とともに物価の基調的な動きを決める最も大きな要因として重視しており、今後物価の上昇圧力を弱める要因にもなりそうだ。

今回の短観では、3月に1ポイントの「不足」だった生産・営業用設備判断が、1ポイントの「過剰」に転じたほか、雇用人員判断は17ポイントの「不足」で、小幅ながら不足幅が縮小した。

日銀は両指数を利用して、日本経済が潜在的な成長力からどの程度乖離(かいり)しているかを示す需給ギャップの擬似指数である「短観加重平均DI」を作成しており、5日に公表する予定だ。

民間で短観加重平均DIを独自に試算ししているニッセイ基礎研究所・シニア・エコノミストの上野剛志氏によると、6月は10.3の需要超過となり、3月の11.7から小幅悪化したもよう。

昨年12月は12.3まで需要超過幅が拡大していたが、2四半期連続で悪化した。2四半期連続の悪化はリーマン・ショック以来で「鉱工業生産の伸び悩みが影響した」(上野氏)とみる。

一方、雇用は高水準の不足感が続いている。「介護や保育などでの人手不足は変わっておらず、雇用の逼迫は続いている。デフレ圧力が急に高まることはない」と分析する。

(竹本能文 編集:田巻一彦)

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