ニュース速報

ビジネス

独首相、英に「いいとこ取り」許さず EU離脱に厳しい発言

2016年06月28日(火)19時54分

6月28日、メルケル独首相は、英国が今後のEU離脱交渉で、移動の自由などを許容することなく単一市場へのアクセスするなどの「いいとこ取り」をすることは許されないとの見解を示した(2016年 ロイター/FABRIZIO BENSCH)

[ベルリン 28日 ロイター] - ドイツのメルケル首相は、英国が今後の欧州連合(EU)離脱交渉で、移動の自由などを許容することなく単一市場へのアクセスするなどの「いいとこ取り」をすることは許されないとの見解を示した。

同首相は議会で、そうしたことを認める協議はしないとして、「EUの一員を望む国とそうでない国とは明確な差異を設ける必要がある」と指摘。「離脱を望む国は、特典を維持しながら責任を回避できると期待すべきではない」とし、この数日よりは厳しい発言となった。

単一市場にアクセスするためには原則と義務を受け入れる必要があるとして、ノルウェーはEUに加盟していないものの「EUからの移民の自由などを受け入れたため」単一市場にアクセスできると述べた。

離脱については、英国がリスボン条約50条が発動すれば2年の協議機関が始まり、全会一致の決定でのみ延長できると指摘。「協議が行われている限り、英国はEU加盟国にとどまる。メンバーとしてのすべての権利と義務は完全に尊重され、実際に離脱するまで維持される」と語った。

首相は英国との緊密な関係を維持しつつもEUを強化する意向を強調、「(英国のEU離脱後に)残る27カ国が、正しく前進する意思を能力を示すとが重要だ」と述べた。

EU強化に向けたあらゆる提案を歓迎するとした上で、追随離脱につながるような方策を避けることが肝要だとの見解を示した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

スパイ容疑で極右政党議員スタッフ逮捕 独検察 中国

ビジネス

3月過去最大の資金流入、中国本土から香港・マカオ 

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、4月速報値は51.4に急上昇 

ビジネス

景気判断「緩やかに回復」据え置き、自動車で記述追加
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバイを襲った大洪水の爪痕

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    冥王星の地表にある「巨大なハート」...科学者を悩ま…

  • 9

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 7

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中