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ポンド/ドル31年ぶり安値、英EU離脱の不透明感で=NY市場

2016年06月28日(火)06時49分

 6月27日、終盤のニューヨーク外為市場では、ポンドが続落した。写真はポンド、ドルなど各国紙幣、1月撮影(2016年 ロイター/Jason Lee)

[ニューヨーク 27日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ポンドが続落した。英国の欧州連合(EU)離脱決定に伴う先行き不透明感が嫌われ、対ドルで一時31年ぶりの安値に沈んだ。

ドルはユーロやスイスフランに対しても上昇したが、対円では小幅安となった。

ポンド/ドルは1985年半ば以来の安値となる1.3122ドルまで売られる場面があった。終盤は3.8%安の1.3182ドル。

英国のオズボーン財務相が経済状況は良好だと発言し、政府とイングランド銀行(英中央銀行、BOE)が追加措置を講じる可能性に言及したが、ポンド安の流れを食い止めることはできなかった。今後スコットランドが単独でEUと残留交渉に乗り出す可能性などへの懸念も、ポンドを圧迫した。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「全面的なパニックには陥っていないものの、不透明感の高まりでポンドは新たな安値を付ける可能性がある」と指摘。英国経済への逆風が顕在化してくれば年内にポンド/ドルは1.20ドルを割り込む恐れがあると予想した。

スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の英国格付け引き下げは、織り込み済みと受け止められて反応は乏しかった。

終盤のドル/円は0.3%安の101.92円。日本の当局による円売り介入への警戒感が根強かったため、ドルの下値は限定的だった。

一方でドル/スイスフランは一時3週間余りぶりの高値となる0.9820フランを付けた。アナリストによると、スイス中銀がさらなる介入に乗り出す可能性を背景に、ドル高/フラン安が進んだ。

直近のユーロ/ドルは0.9%安の1.1011ドル。

ドル/円 NY終値 101.99/102.02

始値 101.55

高値 102.12

安値 101.43

ユーロ/ドル NY終値 1.1022/1.1030

始値 1.1012

高値 1.1044

安値 1.0971

*内容を追加しました。

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