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100日で改革案、各事業会社の重点課題を洗い出し=7&iHD社長

2016年05月26日(木)17時48分

 5月26日、セブン&アイ・ホールディングス の井阪隆一社長は就任会見で、新執行部と各事業会社で議論し、100日を目途に重点課題を洗い出すとした。写真は5日都内同本社で撮影(2016年 ロイター/Issei Kato)

[東京 26日 ロイター] - セブン&アイ・ホールディングス <3382.T>の井阪隆一社長は26日の就任会見で、新執行部と各事業会社で議論し、100日を目途に重点課題を洗い出すとした。そのうえで「成長戦略と構造改革を練り上げ、第2四半期決算発表までに公表したい」と述べた。

<業態論ではなく、1店舗ごとに精査>

7&iHDは、2016年2月期まで5期連続最高益と好調な業績を残す一方で、イトーヨーカ堂、そごう・西武、ニッセンホールディングス <8248.T>など問題を抱える企業は多い。

井阪社長は「業態論で全てダメと判断するのではなく、1店舗1店舗、それぞれの地域社会にとっての役割や存在意義を吟味して精査したい」と述べた。

井阪社長の退任に反対するなど、経営手腕を評価している米ファンドのサード・ポイントは、ヨーカ堂やそごう・西武の分離や事業縮小を求めており、新体制にとっても、重い課題となってくる。

今後、主要グループ6社の経営陣と毎月ミーティングをし、各事業会社の計画が順調に進んでいるか、課題は何かを共有しながら経営を行っていく方針。

イトーヨーカ堂については、今後5年で40店舗閉鎖の方針をすでに打ち出しており、3月8日には、今期中に20店舗を閉鎖する構造改革を発表している。井阪社長は「基本的には3月8日の構造改革の発表をベースにやっていくが、これから話をする中で、いろいろな方向感が見えてくる」とした。

鈴木敏文前会長が強力に推し進めていたオムニチャネルについては「絶対にやり遂げる。やり続ける」と強い口調で語った。ネット販売が拡大する中、ネットとリアルの融合を掲げるオムニチャネルの必要性は誰もが認めるものの、現時点で、必ずしも順調とは言えない状況だ。井阪社長は「使い勝手の点でいろいろな声を頂いている。今、その検証をしっかりとやるようにプロジェクトを組んで進めている」とし、見直しに着手していることを明らかにした。

<「一枚岩」になることが最重要課題>

井阪社長は、最重要課題として「ホールディングスと各事業会社の経営陣が一枚岩となること」を挙げた。

新体制では、会長やCEO、COOはなくなり、あらたに副社長職ができた。井阪社長は「後藤克弘副社長に補佐してもらいながら、二人三脚で経営に当たっていきたい」と述べた。

鈴木氏は名誉顧問として会社に残るが「アドバイスを求めたい時にそこにいるのが顧問」と位置付けた。

*内容を追加しました。

(清水律子)

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