ニュース速報

ビジネス

物価2%目標は変えない、消費が強くないのは事実=黒田日銀総裁

2016年05月25日(水)13時36分

 5月25日、黒田東彦日銀総裁は午前の衆院財務金融委員会で、現在掲げている2%の物価安定目標について、変更する考えはない、と語った。写真は都内で昨年7月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 25日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は25日午前の衆院財務金融委員会で、現在掲げている2%の物価安定目標について、変更する考えはない、と語った。前原誠司委員(民進)の質問に答えた。

黒田総裁は、日本経済について「所得から支出への前向きの循環メカニズムが働くもとで、緩やかな回復を続けている」との認識を示したが、「消費が必ずしも十分な強さ持っていないことは事実」と指摘。消費の拡大には「大前提として賃金・雇用者所得の上昇が続いていくことが不可欠」とし、「今後も消費の動向を十分注視する」と述べた。

日銀による物価2%目標の達成時期の先送りが続く中、前原委員は物価目標を1%に引き下げるべきとの見解を示したが、総裁は「目標を変更する考えはない」と強調。消費者物価の上方バイアスや金融政策の対応余地の確保、主要国中銀の目標設定などを考慮すれば2%が適切との見解をあらためて示した。

日銀は将来的な財務の健全性を確保するため、2015年度決算から、債券取引損失引当金を拡充し、保有国債の利息収入の積み立てを可能にした。

総裁はこうした対応について「国民負担を増やすものではない」と説明。一方で、日銀財務の問題によって物価目標を達成しないということはないとし、「今後も物価安定に向けて最大限努力する」と強調した。

(伊藤純夫 編集:田中志保)

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=下落、予想下回るGDPが圧迫

ビジネス

再送-〔ロイターネクスト〕米第1四半期GDPは上方

ワールド

中国の対ロ支援、西側諸国との関係閉ざす=NATO事

ビジネス

NY外為市場=ドル、対円以外で下落 第1四半期は低
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 3

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 4

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中