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訂正:独4月CPIは予想外のマイナス、ECBへの緩和圧力強まる
4月28日、4月の独CPIは予想外に前年比0.1%下落した。ECBへの緩和圧力が高まっている。写真は会見するドラギECB総裁。21日撮影。(2016年 ロイター/ Ralph Orlowski)
[ベルリン 28日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が発表した4月のドイツの消費者物価指数(CPI)速報値は、欧州連合(EU)基準の消費者物価指数(HICP)が前年比0.3%下落(訂正)した。変わらずを見込んでいた市場予想に反して再びマイナスに転じた。
インフレ押し上げを目指す欧州中央銀行(ECB)の課題の大きさを浮き彫りにした。
3月は0.1%上昇した。
国内基準では、前月比0.4%下落(訂正)、前年比0.1%下落(訂正)だった。
内訳を見ると、エネルギーが主要な押し下げ要因となる一方、食品、サービスなどはより緩やかなペースで上昇した。
ドイツのCPIがマイナスとなったことで、29日に発表されるユーロ圏全体のCPIも再びマイナスに転じる公算が大きい。ロイター調査では、0.1%下落が見込まれている。
ECBは3月に大規模な追加緩和策を発表したが、インフレ期待の低下を受けて、スタッフ見通しを公表する6月にも再び追加策を打ち出すとの観測も高まっている。
ING銀行のエコノミスト、カーステン・ブレゼスキ氏は「ECBの政策に反対するドイツ国民には受け入れ難いかもしれないが、ユーロ圏最大の経済国で失業率も低いドイツでインフレ圧力が見られないとすれば、ECBには極めて緩和的な金融政策を続ける根拠があるだろう」と述べた。
キャピタル・エコノミクスのアナリスト、ジェニファー・マキューン氏は、ドイツのCPIは今後数カ月はかなり弱いが、年内にはエネルギー価格によるベース効果が剥げ落ちることで1.5%程度まで上昇すると予想する。だが、域内で最も強いドイツでも、中期的にECBが目指す2%弱の水準には到達できない公算が大きいとし、ECBへの追加緩和圧力が高まると話した。
*28日午後11時21分に配信したドイツ消費者物価統計の記事で、発表者側の申し出により、EU基準(HICP)の前年比の数値をマイナス0.1%からマイナス0.3%に、国内基準の前月比の数値をマイナス0.2%からマイナス0.4%に、前年比の数値をプラス0.1%からマイナス0.1%にそれぞれ訂正します。これに伴い、第1、3段落を修正しました。