ニュース速報

ビジネス

アングル:中国企業の資金繰りひっ迫、ネット金融依存強める

2016年03月25日(金)07時57分

 3月24日、中国企業は運転資本の現金化が難しくなり、手元の流動性が過去10年で最も乏しくなっていることがロイターの分析で分かった。写真は中国の国旗。北京で1月撮影(2016年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[上海/香港 24日 ロイター] - 中国企業は運転資本の現金化が難しくなり、手元の流動性が過去10年で最も乏しくなっていることがロイターの分析で分かった。こうした企業はネット経由のP2P金融など、高コストでリスクの高い貸し手に頼らざるを得ない状況に追い込まれている。

2015年決算を発表した上場企業を調べたところ、主に売掛債権と棚卸資産で構成される運転資本の現金化に要する期間は約170日だった。創業から10年以上の企業141社の平均は130日で、10年前の約1カ月から大幅に伸びた。売掛債権と棚卸資産の額はいずれも2006年以降で最高だった。

こうした数字からは、中国企業の資金繰りがひっ迫の度を強めている様子が読み取れる。銀行は昨年、融資の焦げ付きが倍増し、景気減速に見舞われている中国企業への貸し付けに及び腰だ。

銀行は、都市の雇用の80%、国内総生産(GDP)の60%を担う中小企業よりも国有企業への融資を優先する。そのため中国人民銀行(中央銀行)の金融緩和の効果も中小企業には及びにくい。

ステンレス鋼メーカーの幹部は「支払いがなく、大きな影響を受けている。資本が不足し、他の資金獲得先を見付けださなければならない」と話す。

蘇州市の岡野精密機械のように、 サプライヤーとも金融機関ともつながりの薄い中小企業は特に状況が厳しい。オーナーによると、顧客が支払いを行うまでの期間は1年前には1カ月ないし2カ月だったが今は2カ月から3カ月に延びている。そのため売掛債権が増えつつある一方で、従業員への給与支払いは先送りできない。

このオーナーは銀行に融資を求めているものの、銀行側は多くの条件を持ち出し、融資を却下する口実を必ず見つけ出すとこぼす。「銀行から融資が受けられなければ親戚か友人に頼むしかない。それでもだめなら、マイクロクレジット会社か高利貸ししか残された手段はない」と肩を落としている。

こうした借り手の需要に応えるべく、P2Pによるオンライン融資のような代替融資が拡大しつつある。P2P融資は今年1─2月の累計が2430億元(370億ドル)と、前年同期の690億元から急増した。調査会社Wangdaizhijiaによると昨年の累計は9820億元で、前年から4倍に増えた。

P2P融資は銀行融資よりもコストは高い半面、迅速に実行される。流動性不足に陥った企業経営者にとってはスピードこそが命だ。

オンライン融資会社、点融網のSoul Htite最高経営責任者(CEO)は「融資を受けられるかどうかの判定に3カ月も待つ必要はない」と話す。昨年の同社の融資残高は14年から10倍以上に増加したという。

一方、企業の間では手早く現金を手に入れるため、未回収の債権を安値で売却する動きが広がっている。調査会社クレジットサイツによると、割引債権の比率は全体の46%と13年の20%から大幅に上昇し、調査を始めた11年以来で最高となった。

(Adam Jourdan and Umesh Desai記者)

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

ニュース速報

ワールド

北朝鮮「さらなる挑発も」と首相、国際社会の一致訴え

ワールド

仏軍艦艇が佐世保入港、日米英と共同訓練へ 北朝鮮な

ワールド

北朝鮮が安保理直後に弾道ミサイル、米韓は失敗と推定

ワールド

米空母カール・ビンソンが日本海に到達、北朝鮮に圧力

MAGAZINE

特集:国際情勢10大リスク

2017-5・ 2号(4/25発売)

北朝鮮問題、フランス大統領選、トランプ外交──。リーダーなき世界が直面する「10のリスク」を読み解く

グローバル人材を目指す

人気ランキング

  • 1

    フランス海軍艦艇が佐世保入港、日米英と訓練 北朝鮮をけん制

  • 2

    米空母カール・ビンソンが日本海に到達、北朝鮮に圧力

  • 3

    北朝鮮が弾道ミサイル1発を発射 同国内陸部に落下し失敗か

  • 4

    半島危機:プーチン静観は、北朝鮮よりトランプのほ…

  • 5

    北朝鮮問題で安保理会合、米国「今こそ行動すべき」

  • 6

    フランス大統領選挙―ルペンとマクロンの対決の構図を…

  • 7

    北朝鮮ミサイル実験「失敗」の真相

  • 8

    「いま米軍が撃てば金正恩たちは全滅するのに」北朝…

  • 9

    アメリカが北朝鮮を攻撃したときの中国の出方 ── 環…

  • 10

    プラスチック製「人工子宮」でヒツジの赤ちゃんが正…

  • 1

    25日に何も起こらなくても、北朝鮮「核危機」は再発する

  • 2

    北朝鮮ミサイル実験「失敗」の真相

  • 3

    北朝鮮ミサイル攻撃を警戒、日本で核シェルターの需要が急増

  • 4

    アメリカが北朝鮮を攻撃したときの中国の出方 ── 環…

  • 5

    北朝鮮、軍創設記念日で大規模砲撃演習 米原潜は釜…

  • 6

    半島危機:プーチン静観は、北朝鮮よりトランプのほ…

  • 7

    「いま米軍が撃てば金正恩たちは全滅するのに」北朝…

  • 8

    英「ロシアに核の先制使用も辞さず」── 欧州にもくす…

  • 9

    ロシア軍が北朝鮮に向け装備移動か 大統領府はコメ…

  • 10

    フランス大統領選、マクロンとルペンの決選投票へ

  • 1

    25日に何も起こらなくても、北朝鮮「核危機」は再発する

  • 2

    「いま米軍が撃てば金正恩たちは全滅するのに」北朝鮮庶民の本音

  • 3

    ユナイテッド航空「炎上」、その後わかった5つのこと

  • 4

    北朝鮮に対する軍事攻撃ははじまるのか

  • 5

    米空母「実は北朝鮮に向かっていなかった」判明まで…

  • 6

    15日の「金日成誕生日」を前に、緊張高まる朝鮮半島

  • 7

    北朝鮮への米武力攻撃をとめるためか?――習近平、ト…

  • 8

    北朝鮮近海に米軍が空母派遣、金正恩の運命は5月に決…

  • 9

    ロシア軍が北朝鮮に向け装備移動か 大統領府はコメ…

  • 10

    オーバーブッキングのユナイテッド航空機、乗客引き…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

日本再発見 「外国人から見たニッポンの不思議」
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版 別冊

0歳からの教育 知育諞

絶賛発売中!