ニュース速報

ビジネス

アングル:VW不正問題が影落とすジュネーブ自動車ショー

2016年02月29日(月)13時35分

 2月26日、3月1日開幕するジュネーブ・モーターショーは、VWの排ガス不正問題が影を落とし、消費者の嗜好とメーカーの対応がかみ合わない、ちぐはぐな展示となりそうだ。写真はスイスのデューベンドルフで12日撮影(2016年 ロイター/Arnd Wiegmann)

[フランクフルト 26 ロイター] - 3月1日開幕するジュネーブ・モーターショーは、フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題が影を落とし、消費者の嗜好とメーカーの対応がかみ合わない、ちぐはぐな展示となりそうだ。

今年もジュネーブ・モーターショーでは「マセラティ・レヴァンンテ」、「ブガッティ・シロン」、「ランボルギーニ・センテナリオ」などの排気量の多い高級車が展示される。

ただ、規制当局は排ガス規制の強化に動いており、こうした展示手法が例年通り成功を収めるとは言い難い。

センター・オートモーティブ・リサーチ(CAR)のフェルディナンド・ダデンヘフェー代表は、欧州で販売される自動車の半分以上がディーゼル車だと指摘。「ジュネーブは今年、ディーゼルの排ガスの厚い雲に覆われそうだ」と話した。

VWの不正事件で欧州の高級車メーカーがハイブリッド車や電気自動車の分野では大きく遅れを取っている実態が浮き彫りになった。

ロイターがLMCオートモーティブを通じて集めたデータによると、BMW、メルセデス・ベンツ、VWアウディの独大手高級車メーカー3社は、電気自動車とハイブリッド車の販売では国際的な順位が12位、14位、22位にとどまり、トヨタ自動車やホンダ、レクサス、日産などに遅れを取っている。

今年のジュネーブ・モーターショーは、ダイムラーの新型「スマート」以外、純然たる電気自動車の目立った発表はない。ポルシェやアウディなどは2019年までに新型の高級電気自動車を開発する予定。

むしろ欧州メーカーが取り組みを強めているのは省エネだ。例えばポルシェの「ボクスター」の後継機種となる「718」ロードスターは4気筒エンジンを搭載し、オペルの「GT」のコンセプトカーもエンジンは3気筒となる。

しかし消費者は燃料消費の多い大型車への志向を強めており、消費者の嗜好とメーカーの規制対応の間のずれが大きくなっている。

JATOのアナリストによると、欧州では昨年、スポーツタイプ多目的車(SUV)の販売がサブコンパクトカーやコンパクトカーの販売を初めて上回った。

今回のモーターショーでもアウディの「Q2」や「セアト・アテカ」など小型SUVがこうした流れにうまく乗りそうだ。

一方、排ガス規制強化に対応するための技術投資コストがかさむ大型車は世界的に需要が弱まり始めるとアナリストは懸念している。

バーンスタイン・リサーチのアナリストチームは「一時代の終わり」と題するリポートで、欧州の自動車産業の見通しは暗いと指摘した。「欧州市場は残念ながら利益を上げるという面で希望が持てない。生産能力が過剰で、構造的なコストが高く、あまりにも多くのメーカーがひしめき合って技術的に優れた高級車ばかりを供給している」とした。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

ニュース速報

ワールド

ウクライナ中銀、新たなサイバー攻撃の可能性を各銀行

ワールド

仏大統領、9月7─8日にギリシャ訪問

ワールド

豪地域開発相、二重国籍保有と発表 議員で6人目

ビジネス

焦点:米デフォルトリスク、トランプ政権の混乱で「正

MAGAZINE

特集:2050 日本の未来予想図

2017-8・15号(8/ 8発売)

国民の40%が65歳以上の高齢者になる2050年のニッポン。迫り来る「人口大減少」はこの国の姿をどう変える?

※次号8/29号は8/22(火)発売となります。

グローバル人材を目指す

人気ランキング

  • 1

    イルカの赤ちゃん、興奮した人間たちの自撮りでショック死

  • 2

    「ゴースト」「ドイツの椅子」......ISISが好んだ7種の拷問

  • 3

    バルセロナで車暴走テロ、はねられて「宙に舞う」観光客

  • 4

    「ディーゼル神話」崩壊、ドイツがEVへ急転換、一方…

  • 5

    垂れ耳猫のスコフォがこの世から消える!? 動物愛…

  • 6

    シャチがホホジロザメを餌にし始めた

  • 7

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 8

    失踪中のドイツ人少女 ISISメンバーとしてイラクで…

  • 9

    ISIS戦闘員を虐殺する「死の天使」

  • 10

    ウォンバットのうんちはなぜ四角いのか

  • 1

    自分に「三人称」で語りかけるだけ! 効果的な感情コントロール法

  • 2

    米朝舌戦の結末に対して、中国がカードを握ってしまった

  • 3

    イルカの赤ちゃん、興奮した人間たちの自撮りでショック死

  • 4

    軍入隊希望が殺到? 金正恩「核の脅し」の過剰演出…

  • 5

    「ゴースト」「ドイツの椅子」......ISISが好んだ7種…

  • 6

    北の譲歩は中国の中朝軍事同盟に関する威嚇が原因

  • 7

    英グラビアモデルを誘拐した闇の犯罪集団「ブラック…

  • 8

    トランプ「軍事解決の準備完全」、北朝鮮「核戦争の…

  • 9

    バルセロナで車暴走テロ、はねられて「宙に舞う」観…

  • 10

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 1

    マライア・キャリー、激太り120キロでも気にしない!?

  • 2

    トランプに「英語を話さない」と言われた昭恵夫人、米でヒーローに

  • 3

    日本の先進国陥落は間近、人口減少を前に成功体験を捨てよ

  • 4

    北朝鮮、グアム攻撃計画8月中旬までに策定 島根・広…

  • 5

    ロシアが北朝鮮の核を恐れない理由

  • 6

    エリザベス女王91歳の式典 主役の座を奪ったのはあ…

  • 7

    自分に「三人称」で語りかけるだけ! 効果的な感情コ…

  • 8

    米朝舌戦の結末に対して、中国がカードを握ってしま…

  • 9

    軍入隊希望が殺到? 金正恩「核の脅し」の過剰演出…

  • 10

    イルカの赤ちゃん、興奮した人間たちの自撮りでショ…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

全く新しい政治塾開講。あなたも、政治しちゃおう。
日本再発見 シーズン2
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版 別冊

0歳からの教育 知育諞

絶賛発売中!