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下値探り、円高進めば日経1万6000円試しも=今週の東京株式市場

2016年02月08日(月)07時32分

 2月8日、米国でのイベント次第でドル安が進めば、今週は日経平均が再び1万6000円を試すとの見方が出ている。東証、昨年8月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 8日 ロイター] - 今週の東京株式市場は下値を探る展開となりそうだ。米国でのイベント次第ではドル安が進み、日経平均が再び1万6000円を試すとの見方が出ている。弱い企業決算なども投資家心理の重しとなり、押し目買いは見込みにくい。

一方、株価水準が切り下がれば追加緩和期待が支えとなり、底割れは回避されるとみられている。

日経平均の予想レンジは1万6000円─1万7300円。

市場では一段のドル安/円高に対する懸念が強まっている。円高に進めば来期減益の公算が強まるためだ。

岡三証券の計算によると、2015年4月以降のドル/円の期中平均(16年2月4日まで)は121.26円。足元はこれを5円程度下回っており、日経平均は業績下振れを織り込んだ水準にあるという。

「最悪シナリオである来期10%減益を見込んだとき、PER16倍の水準で日経平均1万6700円程度。現値水準では割高感が出てしまう」と岡三証券・日本株式戦略グループ長の石黒英之氏は述べる。

円高への警戒感から足元では輸出株の下げが顕著だ。2月1日─5日の週で日経平均<.N225>は4%安だったが、トヨタ<7203.T>は8%安と下落率は2倍。業種別指数の輸送用機器<.ITEQP.T>は同期間で9%安となった。「短期筋のみではなく、海外の中長期投資家が外しにかかっている」(準大手証券)という。

10、11日にはイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言が予定され、ハト派的なコメントが出れば米利上げ観測が後退。米国株にとってはプラスだが、ドル安/円高を通じて日本株の下押しにつながるとみられている。

日経平均ボラティリティ指数<.JNIV>は5日、約1週間ぶりの高水準へと上昇。日銀のマイナス金利導入決定で落ち着きを取り戻した投資家心理は、外部環境の悪化や弱い企業決算などを受け、再び揺れ動いている。

一方、日本株を支えるのは日銀に対する期待感だ。「日銀がマイナス金利導入を決めたことで、市場に漂っていた緩和限界論を払しょくした。再び『黒田プット』が機能し、過度な株安・円高には歯止めが掛かる」(国内投信)という。

日経平均が1月21日の安値1万6017円を割り込まずに切り返せば、テクニカル面で2番底との見方も広がりやすい。一方で「戻りを試しても25日移動平均線(1万7377円96銭=5日)程度」(国内証券)との見方も出ている。

(株式マーケットチーム※)

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