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アングル:マイナス金利導入に地銀からは悲鳴、収益圧迫は不可避

2016年01月29日(金)20時28分

 1月29日、日銀のマイナス金利導入は、銀行の収益に小さくないインパクトを与える可能性がある。日銀の当座預金に積んでいた資金から得ていた金利収益が将来的に減少する見通しである上に、今年中にも底打ちするとの期待もあった貸出利ざやの縮小が、一段と進むとみられるためだ。写真は日銀本店。(2016年 ロイター/Yuya Shin)

[東京 29日 ロイター] - 日銀のマイナス金利導入は、銀行の収益に小さくないインパクトを与える可能性がある。日銀の当座預金に積んでいた資金から得ていた金利収益が将来的に減少する見通しである上に、今年中にも底打ちするとの期待もあった貸出利ざやの縮小が、一段と進むとみられるためだ。

一部の地域金融機関には、再編圧力にもなるとの指摘もある。

<大幅な下げとなった銀行株>

日銀のマイナス金利導入発表後、銀行株は軒並み下落。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>など3大銀行グループは一時、前日比7―8%下げる局面もあった。最終的には若干戻して、三菱UFJの29日終値は、前日比17円60銭安の609円40銭にとどまった。

一方、影響が大きかったのがゆうちょ銀行<7182.T>で、終値は前日比106円安の1472円まで下落した。地銀の下落幅も大きくなった。

ベイビュー・アセット・マネジメントの佐久間康郎執行役員は「銀行株には大きな打撃だ。特に預貸比率の低い地銀はより深刻で、今後、再編圧力として働く可能性もありそうだ」と語った。

<収益圧迫に悲鳴、数百億円下振れの試算も>

あるメガバンク幹部は、マイナス金利の導入の影響について「精査が必要だが、資金利益で数百億円は下振れする可能性がある」と語る。

金融緩和の長期化で、銀行の資金利益は低下の一途をたどってきた。貸出金利が下がり続け、調達金利との差である利ざやの縮小が続いているためだ。利ざやの縮小を量の拡大で補おうとしているが、カバーしきれていないのが実情だ。

その利ざやの縮小に、ようやく底打ち感が見えてきた中でのマイナス金利の導入で、「今年中にも(利ざやが)反転する期待もあったが遠のいた」という。

もう1つの負のインパクトは、日銀当座預金から得られる利益が減少する点だ。28日時点での当預残高は258兆円。単純計算で2000億円以上の利益が金融セクターに流れ込んでいた。ただ、0.1%のマイナス金利となるのは今後積む部分にすぎないため、「影響は限定的」(大手行幹部)との声もある。

<地銀やゆうちょ銀への影響大>

金融庁のある幹部は、短期国債の運用比率が高い金融機関や日銀当預での運用比率の高い金融機関への影響を懸念する。

実際、関東のある地銀役員は「国債利回りはさらに引き下げ圧力がかかり、運用ができない。利ざやの縮小も進むだろう」と嘆く。そのうえで「地銀の再編圧力にもなりかねない」と述べた。

ゆうちょ銀も深刻だ。運用資産に占める国債の残高は50%を切ったとはいえ、依然として主力の運用商品だ。運用の多様化を進めているが、巨額資金を抱えるだけに短期的な乗り換えは困難とみられる。

日銀の黒田東彦総裁は記者会見で「金融機関の収益に影響を与えることは避けられない」とする一方で、マクロ経済が改善されれば将来的には金融機関の経営にもプラスとの認識を示した。

プラス効果に転じるまで、金融システムには負荷がかかり続けることになりそうだ。

(布施太郎 取材協力:和田崇彦、浦中大我、植竹知子)

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