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焦点:FRBの利上げ路線脅かす株安、消費に悪影響

2016年01月26日(火)13時18分

 1月25日、ここ数週間の米株価急落で株式時価総額は約2兆5000億ドル吹き飛んだ。写真はワシントンで昨年9月撮影(2016年 ロイター/Kevin Lamarque)

[ワシントン 25日 ロイター] - ここ数週間の米株価急落で株式時価総額は約2兆5000億ドル吹き飛んだ。これが消費に悪影響を及ぼすようなら、米連邦準備理事会(FRB)が予定している段階的な利上げ路線が脅かされるかもしれない。

FRBその他の調査によると、家計資産が減少すると、減少分の最大6%が消費の縮小につながる。つまり株価が近いうちに持ち直さなければ、今後数カ月で消費は1500億ドル余り減り、国内総生産(GDP)の1%近くが失われる計算だ。

政策担当者は現在も、脅威は過ぎ去るとの立場を崩していない。

26、27日の連邦公開市場委員会(FOMC)では政策変更が予想されていないが、最近の情勢が経済見通しにどのような影響を及ぼしたのかを見極めようと、市場は声明文をじっくり分析することになりそうだ。

中央銀行は通常、相場の変動は金融政策とは無関係だとの立場を取るが、設備投資や人員採用、家計支出に影響を及ぼすほどの相場変動となると、話は別だ。

外部とロイターの分析を総合すると、今回はこうしたケースに相当しそうだ。現在の相場下落は家計の資産に大きく影響しているため、そのマイナス効果が続けばFRBの成長見通しは大幅な下方修正を迫られる可能性がある。

その上、他の消費指標も頭打ちになったり、消費者が財布の紐を締め出した兆しを映し出したりしている。

個人貯蓄率は昨年末にかけてじりじりと上昇し、2013、14年には可処分所得に対して平均4.8%だったのが、11月には5.6%になった。

<暗雲>

住宅ローン残高に対する住宅所有者のエクイティ(純資産価値)の比率はここ数年、住宅価格の持ち直しを追い風に急上昇していたが、昨年1─9月は56%前後で横ばいを続けた。

可処分所得に対する家計純資産の割合は、住宅価格と株価が上昇したおかげで昨年に入るまで回復していたが、昨年は一年を通じて伸びが止まったままだった。

いずれの指標も消費を測る上で重要な数字だ。

マクロエコノミック・アドバイザーズのシニアエコノミスト、ベン・ハーゾン氏は「株価が下落を続け、貯蓄率が上昇した上に、消費者信頼感が悪化を始めれば、すべての事象が同じ方向、すなわち消費の伸びが鈍るかもしれないという方向を指し示すことになる」と語る。

アトランタ地区連銀のロックハート総裁は今月、足元の株価下落をみて思い出すのは昨年8月に相場が数週間荒れたことで、その影響は尾を引かなかった、と指摘した。

しかし相場の低迷が続くようなら、経済に本格的な悪影響が及ぶかもしれない。

オックスフォード・エコノミクスが最近示した推計では、昨年5月以来、世界の株価が20%下落したことで、来年末時点の米GDPは約2%圧縮され、成長率はFRBの基本シナリオの約半分に下がる。

FRB当局者らは雇用が回復を続けていることをもって成長の重要な原動力だと見ているので、足元の相場混乱を受けて2016年の見通しを変える可能性は今のところ小さい。

利上げ第2弾を3月か4月に実施し、年末までにさらに3回利上げする計画をペースダウンする用意もなさそうだ。

しかし市場は既に利上げ第2弾が2016年のより遅い時期にずれ込むと予想しているし、FRB当局者は最近の予想インフレ率の低下といった要因に懸念を示し始めている。

予想インフレ率の着実な上昇は、FRBが自らの見通しに自信を抱く重要な根拠となっている。この「アンカー」を失えば、家計も企業も委縮し、景気は減速すると政策担当者らは恐れている。

クレディ・スイスのアナリストチームは最近のリポートで「消費さえ強ければ米国の成長率はプラスを維持できるだろうが、逆風が強まっているため、この見通しは下振れるリスクがある。過去数週間のイベントは、情勢の悪化を示唆している」と指摘した。

(Howard Schneider記者)

ロイター
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