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焦点:日銀、インフレ期待低下懸念と需給ギャップ好転を総合判断へ

2016年01月25日(月)18時58分

 1月25日、日銀内で世界的な株安や原油安を受け、インフレ期待に下押し圧力がかかるリスクについて注目度が高まっている。写真は日銀、2014年1月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 25日 ロイター] - 日銀内で世界的な株安や原油安を受け、インフレ期待に下押し圧力がかかるリスクについて注目度が高まっている。ただ、エネルギーと生鮮食品を除いた消費者物価(日銀版コアコアCPI)の動向は堅調なほか、需給ギャップは先行きも改善を続ける見通し。このため28、29日の金融政策決定会合では、こうした点を踏まえ物価の基調が影響を受けそうなのか総合的に判断することになりそうだ。

<市場変動とインフレ期待、黒田総裁も言及>

年明けの世界的な株安や原油安を受け、市場には先行きの経済に対する不透明感が増している。日銀内にも株安や原油安が継続すれば、企業マインドに悪影響をもたらし、日本経済拡大へのカギを握る賃上げにマイナスの影響が出かねないと懸念する声も浮上。設備投資の下押し圧力になるリスクも取りざたされている。

実際、最近の各種アンケート調査では、企業や家計、エコノミストなどの物価見通しの低下が目立ってきている。

日銀の公式見解は、投機的な動きで実体経済や物価の基調にすぐに影響は出ないとの立場だが、黒田東彦総裁は22日、スイス・ダボスでテレビインタビューに英語で応じ、最近の市場急変が「予想物価上昇率に多少(slightly)影響している」と述べた。

また、一部の日銀関係者からは「雇用や物価が今後も引き続き良い状態かはわからない」との見方も出ている。

<GDPはプラス、需給ギャップ押し上げ>

一方、1月会合で直ちに追加緩和を決断する必要がないとの声も、日銀内ではかなりの規模にのぼっている。

その理由の1つは、期待インフレ率とともに物価の基調を左右する需給ギャップの動向だ。

20日に成立した2015年度補正予算の効果で、16年度の実質経済成長率は現行見通しの前年比プラス1.4%から上方修正となる可能性も指摘されている。

労働需給も当面、ひっ迫した状況が続き、原油価格の下落も中長期的に日本経済の支援材料となり、いずれも物価押し上げ方向に働くとの論理構成だ。

また、21日のドラギ欧州中銀(ECB)総裁の追加緩和を示唆する発言以降、株安と原油安が反転する兆しをみせていることも、短期的な市場動向をみて金融政策を判断するには「時期尚早」との声を勢いづかせている。

その意味で、日銀内では26─27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に公表される声明で、年明け以降の世界的な市場変動について、何らかの言及があるのかどうか、あった場合の市場の反応に注目する声もある。

<原油下落の影響、CPI見通し引き下げへ>

仮に日銀が1月会合で追加緩和を見送った場合、向こう数年の経済・物価見通しを示す「展望リポート」で示される16年度の消費者物価(除く生鮮、コアCPI)見通しは、従来の前年比1.4%から0%台後半へ大幅に下方修正し、2%の物価目標達成時期も従来の2016年度後半から17年度中に延期する公算が大きい。

その前提となる原油価格推移は、昨年10月時点における足元で1バレル50ドル、18年3月に65ドルから少なくとも15ドルずつ想定価格を下方修正するとみられている。

こうした情勢の下で、日銀政策委員がどのような判断を下すのか。物価の基調を構成する要素は、上振れと下押しの両方が混在しており、その結果に市場の注目度は一段と高まっている。日銀の出すメッセージによっては、市場の変動が大きくなる展開も予想される。  

*本文中の不要な文字を削除しました。

(竹本能文、伊藤純夫 編集:田巻一彦)

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