ニュース速報
ビジネス
アングル:欧米企業に中国事業見直しの動き、投資削減や生産ライン縮小も
7月31日、中国経済の減速を受け、現地事業に厳しい目を向けている欧米企業の多くが、投資やコストの削減、生産ライン縮小のほか、増加する不良債権の対処を迫られている。北京で6月撮影(2015年 ロイター/Jason Lee)
[ロンドン 31日 ロイター] - 中国経済の減速を受け、現地事業に厳しい目を向けている欧米企業の多くが、投資やコストの削減、生産ライン縮小のほか、増加する不良債権の対処を迫られている。
2000年から10年にわたり2ケタ成長を続けた中国経済には多くの欧米企業が重点的に投資してきた。だが、ここ数年、その勢いは急速に鈍り、同国での需要を減退させているほか、中国企業の財務健全性への疑問が生じている。
最近の中国株急落で、中国経済があと数年で過去のような力強い成長を取り戻すとの期待は大きくしぼんだ。
オランダの総合電機大手フィリップス
中国経済の規模を踏まえると、欧米企業幹部の現地での通常の事業継続が難しいとする発言は、中国からの撤退を示唆しているわけではない。
<シェア拡大より黒字確保>
スイスのエンジニアリング大手ABB
米自動車大手フォード・モーター
このような欧米メーカーの対応を受け、欧米を中心とするサプライヤーにも影響が広がっている。仏自動車部品メーカー、ヴァレオ
OC&Cストラテジー・コンサルタンツのパートナー、ウィル・ヘイラー氏は、中国の事業環境の悪化を受け、企業の関心は市場シェアの拡大から中国事業の黒字確保、少なくとも赤字を減らすことにシフトしていると指摘する。
企業が取る戦略は、コスト削減や製品の値下げなど多岐にわたる。
米ゼネラルモーターズ(GM)
生産ラインの見直しも選択肢の一つ。仏食品大手ダノン
<信用リスク見直しも>
中国の事業環境の悪化は、企業に信用リスクの見直しも迫っている。スウェーデンの大手トラックメーカー、ボルボ
信用リスクの増大を受け、一部の欧米銀行も中国に対するエクスポージャーを見直している。スイスの金融大手UBS
欧米企業がこれまでよりも中国事業の運営に慎重になったとはいえ、同国での成長機会を狙う姿勢に変わりはない。実際、最近の株価急落に乗じて現地企業を安価で買収できないか模索する動きもある。ただ、多くの中国企業が融資などで政府の支援を受けるなか、購入対象となる企業は少ないと企業幹部らは指摘する。
*見出しの体裁を整えて再送します。