ニュース速報

ビジネス

ギリシャ株式市場が3日に取引再開へ、20%下落との見方

2015年08月03日(月)08時46分

 8月2日、3日に取引を再開するギリシャの株式市場について市場関係者は、5週間ぶりの取引になることや、ギリシャの先行きをめぐる懸念などから、下落率が20%あるいはそれ以上になると見込んでいる。アテネで証取で先月撮影(2015年 ロイター/Jean-Paul Pelissier)

[アテネ 2日 ロイター] - 3日に取引を再開するギリシャの株式市場<.ATG>について市場関係者は、5週間ぶりの取引になることや、ギリシャの先行きをめぐる懸念などから、下落率が20%あるいはそれ以上になると見込んでいる。

ベータ・セキュリティーズのチーフトレーダー、タキス・ザマニス氏は「あすの取引で上昇する銘柄が1つでもある可能性はほぼゼロだ」との見方を示した。

ギリシャ株式市場は、ユーロの流出を防ぐため資本規制が導入される直前の6月26日以来5週間ぶりに取引を再開する。

ギリシャ向け支援をめぐる同国と債権団の協議は最終的に合意に達したものの、合意内容の履行が困難となる可能性や支援条件をめぐるギリシャ国内の政治的な対立が解散総選挙につながる可能性もある。

ザマニス氏は「政府が時間通りに支援を確保できるかどうかや解散総選挙の可能性をめぐる不透明感は強い」と指摘する。

ギリシャ経済も、チプラス首相が反緊縮を掲げて政権を握るまでのプラス成長から反転し始めている。

3日の取引では銀行株が大きく下げるとみられる。左派系紙アブギによると、ギリシャ政府は今月、銀行の資本増強向けに約100億ユーロ(110億ドル)の支援資金を要請する方針という。

銀行株はギリシャ株式市場主要株価指数の約20%を占める。

ギリシャ株に連動する米国の上場投資信託(ETF)の値動きも、波乱の幕開けを示唆する。米国上場のギリシャ企業株で構成するETFの「GREK」は31日終値が1.6%高だったものの、アテネ証券取引所が売買停止となった6月終盤以降では、なお20%程度下落。ナショナル・バンク・オブ・グリースの米上場株は31日に1.7%高で引けたが、やはり過去1カ月では20%程度の下落率となっている。

トスカファンドのアナリスト、タキス・クリストデュロプロス氏は「かなりの下げ圧力を受けるのは間違いなく、銀行株が矢面に立たされる恐れがある」と話す。

ウォーラックベス・キャピタルのマネジングディレクター、イリヤ・フェイジン氏は「私の見積もりでは、今取引が再開すればアテネ証取のATG総合指数は625─645で始まり、6月26日終値から19─22%下落する」と述べた。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米耐久財コア受注、3月は0.2%増 第1四半期の設

ワールド

ロシア経済、悲観シナリオでは失速・ルーブル急落も=

ビジネス

ボーイング、7四半期ぶり減収 737事故の影響重し

ワールド

バイデン氏、ウクライナ支援法案に署名 数時間以内に
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 2

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 3

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」の理由...関係者も見落とした「冷徹な市場のルール」

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 6

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 7

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    コロナ禍と東京五輪を挟んだ6年ぶりの訪問で、「新し…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中