ニュース速報

ビジネス

第2四半期の米GDP速報値は+2.3%、個人消費が押し上げ

2015年07月31日(金)07時11分

7月30日、米商務省は第2・四半期の実質GDP速報値が季節調整後の年率換算で前期比2.3%増となったと発表した。写真は2014年5月、米イリノイ州で(2015年 ロイター/Jim Young)

[ワシントン 30日 ロイター] - 米商務省が30日発表した第2・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は、季節調整後の年率換算で前期比2.3%増となった。第1・四半期も0.6%増と、0.2%減から上方修正されたことで、米連邦準備理事会(FRB)が年内にも利上げに踏み切る環境が整いつつあることが示唆された。

TD証券(ニューヨーク)の次席エコノミスト、ミラン・ムルレーン氏は、今回のGDP統計は非常に前向きな内容と評価した上で「FRBにとっては早ければ9月の実施も視野に入れた年内利上げを正当化する材料となるだろう」と語った。

第2・四半期は市場予想の2.6%増には届かなかったものの、GDPの3分の2以上を占める個人消費の拡大で設備投資の落ち込みが相殺され、成長が加速した。

個人消費は2.9%増。前年末からのガソリン価格下落の恩恵を受け拡大。労働市場が力強さを増していることも寄与した。ただ、第1・四半期は2.1%増から1.8%増に下方修正された。

貯蓄率は4.8%と、5.2%から低下した。

一方、民間設備投資は0.6%減。このうち構造物に対する投資は1.6%減、機器に対する投資は4.1%減となった。

原油価格の下落を受け油田サービス会社のシュルンベルジェやハリバートンなどが設備投資を大きく削減させるなか、エネルギー部門が引き続き足かせとなっている。

設備投資の中でも、鉱山探索や油田などへの投資は68.2%減と、第1・四半期の44.5%を超える落ち込みとなり、1986年第2・四半期以来の大幅な減少となった。

輸出は5.3%増、輸入は3.5%増。貿易によるGDPへの寄与度はプラス0.13%ポイントとなった。

在庫は1100億ドル増。前期は1128億ドル増だった。第2・四半期は在庫によるGDP寄与度はほぼゼロだった。

個人消費支出(PCE)価格指数は2.2%上昇と、前期の1.9%低下から回復し、2012年第1・四半期以来の大幅な伸びとなった。食品・エネルギーを除くコアPCE価格指数は1.8%上昇と、前期の1.0%から伸びが加速した。

*誤字を修正して再送します

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

エアバスに偏らず機材調達、ボーイングとの関係変わら

ビジネス

独IFO業況指数、4月は予想上回り3カ月連続改善 

ワールド

イラン大統領、16年ぶりにスリランカ訪問 「関係強

ワールド

イランとパキスタン、国連安保理にイスラエルに対する
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 6

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 7

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 8

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 9

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 10

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中