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ドル119円半ばで伸び悩み、米雇用統計前に調整の動き

2015年04月02日(木)12時35分

 4月2日、正午のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてややドル安/円高の119円半ばだった。都内で昨年11月撮影(2015年 ロイター/ISSEI KATO)

[東京 2日 ロイター] - 正午のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてややドル安/円高の119円半ばだった。日経平均株価は上げ幅を拡大したが、ドル/円は米雇用統計を翌日に控え、持ち高調整の動きが出て伸び悩んだ。

朝方は日経平均株価が200円超高と上げ幅を拡大させた中で、ドル/円は119円後半にじり高で推移した。

その後、株価がきょうの高値圏で横ばい推移となる中、ドル/円は仲値公示を挟んで119円半ばにじり安となり、その後も119円半ば付近での小動きにとどまった。

実需筋としては「輸入企業が淡々とドルを買っている」(国内金融機関)との観測がでていたが、週末の米雇用統計や海外での連休を控えて「短期筋の間では、今日あたりから主要通貨で利益確定売りやポジション調整の動きが出始めている」(別の国内金融機関)といい、ドルを下押しした面もあったようだ。雇用統計を前に「無理にポジションを作ろうというムードではない」(同)との声が出ていた。

もっとも、前日の海外時間にドル/円が下落した局面では119.40円台で切り返しており「119円前半にはドル買いがあるとの印象が強まった」(国内金融機関)との声が出ていた。一方、上方向では、前日の上昇局面で押し返された120円前半では「ドル売りが出やすい」(同)と意識されていたようだ。

<失業保険動向に関心、雇用統計に期待つながるか>

前日の海外時間に発表されたADP全米雇用報告とISM製造業景気指数は、ともに市場予想を下回り、米株安や米金利低下につながった。

とりわけADP雇用報告は民間部門雇用者数の増加数が18万9000人にとどまり、2014年1月以来の低い伸びとなった。ロイターがまとめた市場予想22万5000人増も下回り「失望を誘った」(国内金融機関)という。

今年に入って、市場予想に比べて弱い米経済指標が目立つ中にあって、米2月雇用統計をはじめ、雇用関連は底堅い基調を維持し「ドル/円のより所」(国内証券)とされてきた面がある。

それだけに、低調だったADP雇用報告の結果に対する落胆も出ており「相場の地合いは良くない。株高についていけない」(同)と、上値の重さが意識されていた。

きょうの海外時間には、新規失業保険申請件数が発表が予定されており、関心を集めそうだという。市場では「週末の雇用統計に向け、目先の期待がつながるか見極めたい」(国内金融機関)との声が出ていた。

<海外の休暇と重なる米雇用統計、相場の振幅に警戒感>

ドル/円は119.59円付近。米雇用統計の発表が予定される今週末はイースターの休日と重なり、参加者が細ると見られ「相場の振幅が極端に大きくなるかもしれない」(国内金融機関)と警戒する声が出ている。

3日は米国では株式市場が休場、債券市場が短縮取引となるほか英国、豪州、香港、シンガポールなどが休場となる。英国などは6日も休場となる。外為市場でも海外勢の参加が少なくなると見られ、値幅が出やすくなるとの指摘がある。「儲けるチャンスとも言えるが、損も大きくなるから注意が必要だ」(同)との声が出ていた。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

正午現在   119.65/67 1.0765/69 128.81/85

午前9時現在 119.57/59 1.0768/72 128.76/80

NY午後5時 119.74/75 1.0762/64 128.88/92

(為替マーケットチーム)

ロイター
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