海岸に大量投棄されたサメの赤ちゃん、頭とヒレが切り取られていた

2019年12月20日(金)13時40分
カレダ・ラーマン

<ブラックマーケットで高値で取引されるフカヒレが目的と見られ、地元警察が不法投棄で捜査を進めている>

南アフリカの海岸で、頭や背ビレ、尾ビレを切り取られた赤ちゃんサメの死体が大量に捨てられているのが見つかり、地元警察などが不法投棄で捜査を開始した。

地元の動物保護グループ「ケープ・オブ・グッド・ホープSPCA」によると、大量のサメの死体が見つかったのはケープタウン近郊のストランドフォンテーン海岸。グループの調査員が今月22日午前に、ケープタウン市警と市担当者から連絡を受けた。

海岸で見つかった大量のサメの死体はいずれも、頭と背ビレ、尾ビレが切り取られていた。

(動物保護グループの調査員のツイート)


ケープタウン市警の広報官ウェイン・ダイアソンは、地元テレビ局「eNCA」の取材に対して、「おぞましいものを見つけた」という通報を受けて警察官が現場に向かったと話している。動物保護グループが現場に呼ばれたのはその後の午前9時頃のことだ。

サメの死体がどうやって海岸に運ばれたかはまだ分かっておらず、警察が捜査を進めている。

ダイアソン広報官によると、このサメは漁船や漁師によって合法的に漁獲され、その後不要な部分が投棄されたと見られている。

地元テレビ局から今回の事件に密漁者が関与しているかどうか聞かれたダイアソンは、「そうとも言い切れない。この種類のサメは合法的に漁でとれる」と答えている。「単純に、ヒレのためにサメをとって、残りの部分を不法投棄したのだろう。密漁かもしれないが、それはまだわからない」

グループによると、サメのヒレはアジア諸国などで高級食材の「フカヒレ」として珍重されるため、闇市場で高価で売りさばこうという密漁が絶えない。「事件の背景はまだ捜査中だが、フカヒレを取るのが目的ではないか」

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